先日、自宅療養中の方が急変し、病院で亡くなりました。私は急変に対し訪問看護師に指示を出して病院への搬送に至ったのですが、今ひとつ自体の重大さがわかっていませんでした。

訪問看護からの最初の連絡があり、私が救急要請するように指示したあと、どんどん状態が悪化し、そのまま意識がなくなり、意識状態が戻らないまま旅立たれました。ですから私が聞いていた話ではもっと軽症だと思っていたものの、その後転がるように悪化してそのまま亡くなったということです。

入院後3日目にお見舞いに行った時には意識がなく、病棟看護師にお話を聞くもその方も担当外なのであまりよくわかっておられませんでした。

そしてその翌日亡くなられたのです。

いろんな思いで私は深く悲しい気持ちでした。傷ついてもいました。

この悲しい気持ちをきちんと処理しなくては。そう思い、訪問看護師と二人でミニカンファレンスをしました。死亡後カンファレンスは全例に行うわけではありません。しかし、医療者が困難を抱えている場合には行います。これまで看護師や介護士が傷ついていると感じた時など行ってきましたが、今回は私のために行いました。

今ひとつ把握できていなかった経過について聞き、全容を明らかにし、最後の様子など話し、故人の人柄のすばらしさについて語り、思いを語りました。

このカンファレンスで、私の傷つきや悲しみはかなり緩和されました。

いつも穏やかで明るい死の床を経験することが多いことに改めて気づき、感謝しました。

患者さんが思いもよらない亡くなり方をすると、医療者もまた傷つくものです。それを抱え込まず、緩和することの大切さを実感いたしました。

この方からは、本当にたくさんの学びを得ました。良きご縁に感謝いたします。