連休中、お出かけもしており、緊急対応も訪問看護さんのバックアップに大きく依存しております。

連休中某日、患者さんから訪問看護に連絡があり指示をあおぐ連絡が看護師さんから入りました。こちらの緊急対応を看護師さんにお願いし、とりあえず様子見となりました。夜になって私が京都市内に入ってから、電話でご様子をお尋ねすると、ご家族では判断しかねるとのこと。

夜分からの往診でご迷惑をおかけしましたが、往診してみると、状態としてはあまり変わってない様子。昼間にしてもらった看護師さんと同様の処置をするも、やはり状態変わらず。

これは入院、少なくとも画像診断だけでもこの日のうちにしたほうがいいと判断。当院に訪問診療を依頼してくださった紹介元病院に連絡。

ところがですねー、連休中の夜ということでなのか、紹介元病院に電話し続けるも約40分くらい電話がつながらず。

諦めて他病院に問い合わせるけれど、どこも応需体制が難しいよう。連休中の救急外来は大忙しのようです。
全国の当直の先生がた、連休中の忙しい当直、ありがとうございます。

ようやく紹介元病院に電話が繋がり、救急受診できる段取りが整いました。
患者さんの乗る車と別便で私も救急外来へ。
救急対応医に申し送りをし、大切な患者様をお願いしました。

そんで、結局、問題と私が思っていた部位とは違うところで問題が起きていたようで、入院となったそうです。当直の先生もお忙しい中丁寧にご対応くださったそうで、ご家族がとても喜んでおられました。

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で、上記のようなことは実はいつもの出来事で取り立てて言うほどのことではないんです。ここからが本当に言いたいお話。

上記の紹介元病院につながらない時間、ご家族は心配だし、ヤキモキするし、の状態でした。
ご家族の提案。

「前回の入院の時も、病院に電話してもつながらないから、救急車で行ったら、診てもらえて入院させてもらえた。今回も救急車で行ってみたらどうか。」

→それはダメです。
救急車で行って、紹介元病院が手一杯と言ったら、よその病院に回されます。まずは受け入れ可能かどうか、物理的に病床が満床だと受け入れたくても受け入れられないしね。

「前回も満床で、一旦他の病床に入院してから、当該科の病棟に転棟した。行けば受け入れてもらえると思う。」

→それは迷惑です。こういうかかりつけ医(私)からの紹介である場合、紹介元の病院は優先的に入院をさせてくれるのだが、その場合はきちんと情報提供して、行儀よく行かないと今後の関係もあるので、段取りを踏まなくてはならない。
横入りして、重症だから診てもらえるということをすると医療現場が疲弊する。受け入れてもらう相手に出来るだけ受け入れやすい状態に持っていかないとダメ。

ご家族がヤキモキするのを抑えて抑えて、きちんと段取りして同行して申し送りして受け入れていただいたのです。
そしてご家族から、その後の顛末をお聞きしたら、とても丁寧にご対応いただき、スタッフさんの対応も前回の飛び込み受診時とはまるで違う優しい対応だったのだそう。
そりゃー飛び込み受診の患者さんは状況もよくわからず、医療側だって消耗するし、対応も悪くなりがちですよね。

ここでお伝えしたいのは、かかりつけ医を持ってください、そしてかかりつけ医から情報提供を受けて、大きな病院を受診してください、という事。
大きな病院の皆様もその方が安心して患者さんを診ることができるのです。
患者さんのためにも、医療スタッフのためにも、面倒と思わずよろしくお願いします。そしてくれぐれも救急車で横入りすればいいじゃないか、という事は避けていただきたいのです。
救急車は本当に緊急の人のための医療インフラなのです。