最近AIとかChatGPTとか耳にします。
うちの妹もそのようなソフトを使って仕事をしているそうで本当に有用そうです。
先日うちのクリニックでお世話になっている業者の方がChatGPTをつかって文字おこしをするというボイスレコーダーを使っていらっしゃるのをみて、すぐに自分も注文してしまいました。
ボイスレコーダーをどう使うかというと、看取り前の方のご家族への自分の説明を録音するために使うのです。

「もう看取り状態です」という説明をするためにご家族に集まっていただくことがあります。こういう時の一般的な会議の流れとしては、医師がまず説明をして、スタッフも補足説明をして、ご家族に質問がないかをたずねてそれに回答して終了ということになると思います。

私の場合はちょっと違います。
まず、ご家族に今の病状認識や思っておられることなど自由に話していただきます。時間に制限がある場合はおひとり3分など制限を設けることもあります。(参加者が10人以上などになるとそれだけで30分かかるなどがあるため)
お話を私がカルテ記載し、発言後にカルテを読み返して私の理解が間違っていないかを確認すると同時に発現を短くまとめることで参加者にわかりやすくするという作業をしながらお聞きします。
このように反復して確認しながら発言を整理していくと、参加者にとってわかりやすいのと発言者が「自分の言ったことがスルーされないで受け止めてもらえた」と実感されるようです。皆が思いを受け止めてもらえたと感じられるカンファレンスをすること自体がチームの一体感を作り上げるように感じられます。
その後、ボイスレコーダーを使うのですが、ここから私の話を録音します。なぜなら会議の参加者の言葉は私がカルテ記載しているので残っているのですが、私が発言するときには誰も書き留めてくれないので自分であとから「何を話したっけ」と思い出しながらカルテに書くことになるからです。
この録音が素晴らしいのは、AIが自動で文字おこしをしてくれるということに加えて!話の要約までしてくれるのです!!すごい。
録音の文字おこしをみてみると、私の話はそれなりに行きつ戻りつ冗長な面があります。それが要約するとなんとすっきり。
その要約をコピーして電子カルテにペーストし、ちょっと手直しをする程度で私のお話がカルテ記載されるのです。
すごいなあー。長い会議のお話をカルテ記載するのが結構大変だったのですが、文明の利器のおかげで省力化されています。これからはカルテ記載だけではなく、患者への説明書にも使えそうだなと思っています。
当クリニックはかなりICT化(情報通信技術化)されていて、地域の勉強会でも発表しているのですが、さらに便利なものがでてきていますので、積極的に取り入れるようにしています。
なぜそのような技術を取り入れるかというと、システム化するためです。
システムって何?システムというのは誰かが仕切らなくても、そのように行われるように流れができている状態です。誰かリーダーが仕切らないとできないのはキャンペーンであり、そのリーダーが不在になると途端に何も進まなくなるというものです。
技術を取り入れると、最初の習得に時間がかかっても、その技術は基本的に人が手作業でするよりも正確に早くできるものだったり、情報伝達が全体に行きわたって伝達ミスが減るようになるものだったりします。
このボイスレコーダーも然り。家族説明の要約を見ると、後輩たちも説明の要点がわかり、効率的に学習ができます。またほかの医師も患者説明をするときのカルテ記載の省力化が図れます。
いいものを取り入れて、質の高い医療を地域に提供できるようにと思っております。

ちなみにアイキャッチ画像は私のお気に入りのコーヒーショップのラテアートです。頑張るぞーの気持ちを高めたい時に出勤前に立ち寄ります。