医学に関わる学会というのは年中あるものですが、それでも学会シーズンというものもあり、5月、6月などは学会シーズンになります。
私は2013年に麻酔科医としての常勤勤務をやめ、在宅医療に専従するようになり、それゆえ日本麻酔科学会の専門医規定から外れるようになりました。専門医を維持するには週3日以上の麻酔業務専従が求められます。実際、麻酔業務は一週間離れるだけでも業務に戻るのが正直怖いものです。考えずに体が動く状態でないと瞬間瞬間の判断が鈍るように思います。先日のバス事故、運転手さんが反射的にブレーキとハンドル操作をして大難を免れたように、瞬間の判断というのは麻酔業務に大切なのではないかと思うし、もう4年も麻酔業務から離れると、専門医を名乗るのも心が痛くなってきました。
これまでは日本麻酔科学会年次総会には参加していましたが、前回参加した時に、これまで感じていたワクワク感がなく、ポスター発表を見ても心が踊らず、自分が麻酔科医ではなくなったことをしみじみ感じました。今回、6月に神戸で日本麻酔科学会年次総会がありましたが、ランチを共にしてくれる人もいないしー…………で、参加しませんでした。訪問診療業務もみっしり詰まってるし、土日は中京区在宅医療の総会や京都病院学会があるし、この用事を片付けた上に時間を作ってまでして行くことができませんでした。
このように書くと寂しいものですが、代わりに楽しいこともあるわけです。
中京区在宅医療の活動の中で、少しずつ医師会の活動内容がわかるようになってきて地域の医療のお手伝いができていることもその一つです。
また、先日の病院学会での千春会病院の発表にあったように、千春会の運営するサービス付き高齢者向け住宅が終の住処として最期まで安心して過ごせるように(退所者のうち、亡くなって退所された方の半数以上が在宅看取りでした)支援してきたわけで、これは全国でも珍しい手厚い医療介護連携の結実であるということも誇らしいことです。
一つの大切な時期を終えて、また一つの新しい時期が始まっています。
学会シーズンに行く学会は東洋医学会、在宅医学会、緩和医療学会などに変わってきています。新しいことを学ぶワクワク感はうれしいものです。