4月に自分のクリニックをフルオープンにして一年が経ちました。

これまでも多職種連携を心がけてきましたが、この一年で病院の先生との連携、薬剤師の先生との連携、歯科の先生との連携が充実してきました。

多職種連携では「顔の見える関係」が大切であると言われますが、まさに顔の見える関係ってどうすればできるのでしょう。

顔の見える関係は顔を見せるところから始まるわけなのですが、どうすればできるのでしょうか。

当たり前ですが、どこかで会わなければ顔は見えません。

どこで会うのでしょうか。

学会場?勉強会?確かにそれもありますね。

地域の勉強会会って知り合いになることも多いです。

でも、実際には病院で会うことが大切だと思います。

病院のスタッフは病院から出ることはできません。

地域の開業医、その他医療介護のスタッフが病院に行くことが大切です。

実際には退院時カンファレンスというものがチャンスになりますが、開業医の先生方はあまり参加されないようです。これはもったいないと思います。

私自身は退院時カンファレンスに参加できない時は、そのあとででも病棟に行って主治医や病棟スタッフに会うようにしています。

こうして病院スタッフと直接繋がることで病院とチームになって患者さんをみることができるからです。

病院主治医が癌治療を継続するのと並行して訪問診療で家での体のしんどさに対応することで、積極的治療を続けやすくなります。

一方で「この治療をいつまで続けるのがいいのだろうか」という難しい問題について、あるいは生を終える準備をするということについても、個別に相談しやすい訪問診療がお力になれるのも感じています。

それを訪問診療医が単独でするのではなく、病院主治医と連携することでチームとしての働きになると思っています。

多職種連携がしばしば多職種分業、ひどい時には多職種バラバラ、ということになりがち。

本当の連携は顔の見える関係からなのです。