当院では「看取りの安心勉強会プロバイダー養成講座」を開催しております。

「看取りの安心勉強会」を患者さんのご家族向けに開催しておりまして、これが好評です(と思っています)。
それを地域の訪問看護師さんやケアマネジャーさん、介護施設職員さんなどがご自分の地域で開催できる人材を育てたいと思い、2021年2月から開講いたしました。
10時間程度の講座です。現在はzoomでの開催と、京都市内の当院会議室での開催をしております。

「看取りの安心勉強会」を単にプレゼンできるだけではなく、人生の最終段階にあることを否定される方、介護や看護の介入を拒否される方などに対するコミュニケーションについて(実はここがメイン)ロールプレイをしながら学んでいただきます。
じっくり時間をかけて、ご家族が人生の最終段階であることを説明した後、質問を受け付けると「じゃあ、もっとリハビリとかしてもらえませんか?」と言われてしまい、そういう段階ではないということをさんざん説明してきたのに、どうしてわかってもらえないのだろうとがっくりする看護介護職のみなさま。
あるいはそう、そうとうなずいていらっしゃる医師のみなさま。
どうぞご参加ください。

5月22(土)、23(日)  10:00-16:00
6月9(水),10(木),16(水),17(木) 19:00-21:00
6月26(土)、27(日)  10:00-16:00
7月24(土)、25(日)  10:00-16:00
8月28(土)、29(日)  10:00-16:00
(土日の講座は昼休憩はさむ)

受講費20000円(単回)
ただし、月会費2500円(8か月は継続をお願いしております)または 一括年会費30000円の会員になりますと、当院の講習(「看取りの安心勉強会プロバイダー養成講座」を何回でも、グリーフケア勉強会 年12000円、多職種勉強会 年10000円)が受講し放題になります。

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「看取りの安心勉強会」では大切なお話として
最期の時にご家族が一緒にいなくてはならない、ということはない=一緒にいなくてもいい、とお話ししております。

旅立ちをまえにして ご家族に説明します。
「死はどんな人であったも必ず訪れるものですから決して悲劇的な出来事ではありません。」

「しかし、苦しみを放置されたり、その存在を無視されるかのような態度をとられたり、大切に思われないままだったりするならばやはりその死は悲劇的となるでしょう。死を悲劇にしたくないから私は緩和医療を志しています。」

「そしてもう一つ悲劇的な死は『別れができていない死』です。事故や事件に巻き込まれること、自然災害に巻き込まれることなどの別れができていない状態ももちろんです。」

「その他、急変による死。闘病中に『まだまだこれから頑張る』と思っていた時の死。医療者は『そろそろ』とわかっていたけどそばについている家族も見ているから分かっているだろうと勝手に解釈して十分な説明を受けておられない家族がその死を『突然なもの』と感じてしまう時の死。」

「だから私はきっと聴く方は辛いと思われるかと思いますが、きちんとお別れしていただきたいから、『もう残り時間が短いですよ。お別れをきちんとなさってください。』とお伝えしています。」

お別れをしてほしい、と言われて皆さん想像するのは、ベッドサイドにひざまずき、手を取って「お母さん・・・・!ありがとう・・・!」涙・・・・というものではないでしょうか。しかし、これ、実際にはほんと難しいです。できる人はできるでしょうけれど。

私の提案するお別れをご紹介します。

ご本人はお話しできない状態にまで弱っておられても耳はよく聞こえておられます。意識は眠ったり起きたり波がありますが聞こえて分かっていることも多いです。

その状態でみんなで ご本人との楽しかった思い出をあれこれお話ししたり、これまでのご本人の歩みを例えば息子さんがお孫さんにお話しされて、ご本人が息子さんに取って誇らしい親であったとお孫さんに説明する形で、感謝と愛情を本人に伝えたりする、などです。

手を取ってわざわざに伝えるのは家族関係の中でこの期に及んでもなお照れくさかったり、そんなことをいうと本人に死期を伝えるようで言えないなどの場合もこういう会話の形なら言いやすいのではないでしょうか。

あとは、お孫さんなど下の世代の方に対して、この方の若かったころの活躍についてお話ししたり、この方の上の世代の方についてのお話をされたりなど、「ファミリーヒストリー」をお話しすることもお勧めしております。
NHKの番組にある「ファミリーヒストリー」。ご覧になったことがある方もいらっしゃることでしょう。自分の上の世代がどんな活躍をしてきたのかを知ることがその人の支えになるのです。旅立ち逝く方から下の世代へのプレゼントとして、ファミリーヒストリーをお伝えすることは大切なことではないでしょうか。

ご本人はお話ができない状態でも心の中で「そう、そう」とか「ちゃう、ちゃう」など会話に参加しているようで、ときにほんの少しニヤリとするかたもいらっしゃいます。

ニヤリを見て「わー、お母さんよう聞こえてるわー」と盛り上がって死の床とは思えない明るさとなることもあります。

ときとして、
「大切な方にもう残り時間が短いことを知らせてください」と伝えると「いや、○○に伝えたらショック受ける、あかん」と言われることがあります。

違います。違うのです。

別れのできていない別れのほうが、癒しがたい傷となるのです。

交通事故死など、突然の死はその傷など時間が経っても癒えないものでしょう?と説明しています。

このように説明したあるとき「うちの主人・・・交通事故で亡くなったのです。時間が経っても忘れられません・・。」とおっしゃってお別れをしてもらえるように、計らってくださったかたもいました。

傷つきやすい方も一緒に、ご本人を囲んで「この人のこういうところが優しい、こういうところが好き」とみんなでお話をしていただいたのです。直接に「もうそろそろだって」と言いにくくても、みんなでご本人のことを大切に思っていることを伝える輪の中に加わっていただくことでいいお別れになるのです。

もう残り時間が短いということがわかったら、お別れをなさっていただきたい。そうすることで、先の話ですが、旅立ちの時に必ずしもそばにいなくても構わないのだというところにつながるのです。

きちんとお別れができていれば、最期の時をともにしていなくても、それは仕方がないのです。だって、旅立ちの時はその方が選んで逝かれるのですから。

ですから。

ご家族がお留守の時に旅立たれても大丈夫。眠っている間に旅立たれても大丈夫。独居の方がお一人で旅立たれて介護の職員さんが訪ねてきたときにお別れを知っても大丈夫。(もちろん死が予期される病状でいらっしゃるときの話です。)

きちんと大切に思われてきちんとお別れができていれば大丈夫。

このことを、みなさんに知っていただきたい。知っていただきたくて私は看取りの安心勉強会を介護の職員さん相手に、またご家族の皆さん相手にさせていただきたいとがんばっているのです。

この看取りの安心勉強会。
地域でご自身もやってみたいなと思われる方はご連絡ください。

Jimu1@okhomeclinic.com
担当伊藤です