先日、皮膚科を受診してきました。
私はアトピー体質で光過敏傾向もあり皮膚が弱い方です。
手湿疹などもいつもあるので、ヘパリン類似物質含有の軟膏などが手放せないほうです。

皮膚科受診歴が長いので、炎症がひどくなって浸出液が出たり、感染がなかなか治らなかったりなどトラブルの経験も多くあります。
私の場合は心理的な要素で皮膚症状が悪化しやすく、旅行などで物事がうまくいかなかったり緊張が強かったりするとすぐに湿疹が悪くなります。仕事が立て込んで来るとアトピーがひどくなるのであまりに皮膚症状が悪くなると、仕事が手放せる場合は多少仕事が残っていても帰るようにしていました。麻酔科の仕事を辞めてからは皮膚トラブルもすっかり軽減したので、やはり麻酔科の仕事というのはかなりストレスフルなものだと思います。今は皮膚症状は手洗いが多くなってしかも保湿するのを怠った時などに限られてきました。

さて、こんな私の皮膚科受診歴を長々と書きましたが、これが私の宝になっているのです。
皮膚トラブルが多く、素敵な皮膚科の先生方に助けていただいてきたのでどのような時にどのような薬を使うといいかを自分の体験としてよく知っております。
自分で言うのもなんですが、割と皮膚科の処方は上手い方じゃないかと思っております。(皮膚科の先生から見るときっとまだまだ、だと思いますが。)

このように皮膚の病気をすると皮膚の処方がうまくなり、逆流性食道炎で苦しい胸焼けを体験すると「胸が苦しい、心臓発作ちゃうか…」と心配する方に血液検査と心電図で心筋梗塞を除外診断しつつ、胃薬を処方することで早く対応できるようになり、便秘に対して漢方薬の使い心地を試してみて色々違いを感じてみたり、鼻炎になればどの薬がどんな効果を持っているか試してみたり、感染性腸炎になれば抗生剤投与によりどのように効くかを実感したり、子供ができにくくて不妊治療をすると婦人科のホルモン治療に詳しくなり、希望が叶えられない辛さより希望と絶望の落差に翻弄される方が辛いのだと知ることができたり。

自分の体に不具合があると、それを患者さんの治療に役立てることができます。

自分のしんどさが全て自分の血肉になるって、本当におトクな職業だなあー、総合診療科の医者って。
麻酔科の仕事をしている時も、麻酔の仕事って面白いなあ、毎日面白いと思える仕事について幸せだなあって思っていましたが、在宅医療に転向してからも、自分の仕事って転んでもタダにならずにお得になるって幸せだなあって思っております。