アイキャッチ画像は渋滞の高速道路上、車が完全に止まっちゃったときに撮影しました。
「人生の渚色」の空です。オレンジから濃紺に移り行くときの色。
エンドオブライフケア協会のイメージカラーです。

2019年が終わりつつあります。本年も大変お世話になりありがとうございました。ありがとうございました。
一年、大変充実しておりました。カレンダーを見ながら振りかえってみます。

1月結局実現しなかったものの、他分野の先生方と一緒にお仕事をしようかというお話がありました。建築関連業界です。医療と他分野の融合がこれから行われていくのだろうと予想しました。
もしまた機会があればぜひご一緒したいと思いました。

2月個人的なお出かけのはなし。吉田山の節分に初めて行ってみました。もう、すごい人出で。同行した友人、そんなに親しい間柄じゃない人なのですが、手をつながないと本当にはぐれてしまう。大人になって手をつなぐって恥ずかしいなと照れてしまいました。

3月高校生さんと看護学生さんが春休みに見学に来てくださいました。若い方に在宅医療についてみていただくのは大歓迎です。医学生さんも研修医さんもどうぞお越しくださいね。
この時期新規患者が多く、バタバタでした。
難病勉強会実施。定例勉強会として大切にしていきたい会です。

4月のカレンダーを見ると、重症さんで印象深い方のお名前がたくさん。この頃は重症患者さんが多くてそのすべてがうまくいっている患者さんというわけではなく、少々精神的に厳しい時期でした。しかし、訪問看護のみなさんの支えが私になんとかやり遂げる力をくれていました。いつもありがとうございます。感謝しています。

5月 三月に増えた新規患者さんについて徐々に慣れてきたので問題点がある患者さんのところで多職種でカンファレンス。顔が見える関係をしっかり作ることがチーム医療にとってとても大切なことだと思います。面倒ですが、ここをめんどくさがると本当にダメだと思っております。
右京医師会から看取りの勉強会のご依頼を頂戴しました。この月から毎月なにかしらの講演活動をいただいております。
今回出版されましたセブン&アイ出版編集沢田浩様と初めて面談したのもこの5月でした。
仏門の三浦先生とご縁をいただき、7月からのグリーフケア勉強会を立ち上げることになりました。

6月 横浜で、エンドオブライフケア協会の小澤竹俊先生が主催された「夢を語る会」参加。また中学時代の塾の先輩と久しぶりに会ったりして、キラキラした皆さんから大いに触発されました。
難病勉強会実施。

7月 株式会社在宅善哉設立。講演活動、出版活動、在宅医療をしたい開業医の支援活動などをする会社です。
グリーフケア勉強会が始まりました。この勉強会は息長く続けていけたらいいなあと思っております。

8月 エンドオブライフケア協会主催の「いのちの授業」を受講。苦しんでいる人は死を前にした人だけではありません。地域全体で苦しみを抱える人を支える取り組みをしてく必要があります。子どもから教育していくことで苦しむ人を支えるすそ野が広がっていくように私もお手伝いしていけたらと考えています。

堺市医師会に講演で呼んでいただきました。実は医師対象の講演会は初めて。正直言って、反応は・・・滑っていました。
実は私の話は一般の方、介護職の方には大変受けがよく、そして在宅医療専門職、病院看護師、の順にだんだん温度が下がってきて、医師相手だと「は?この人、何言ってるの?」という顔をされてしまうのです。ほんとに。
これが現実だなあと感じつつ、だからこそ一般の方からどんどん知ってほしい。在宅医療について。穏やかで明るい死について。
今回この時にはグラフィックレコードを二瓶さまにしていただきました。うれしい!

個人的なことですが、父の会社の行く末について株主総会がありました。進むのも困難、撤退するのもまた困難。
40代50代の私たちにとって「あるある」なのかもしれません。親の老い、弱りが他人ごとではない世代として、親の弱りと死、そしてゆくゆくは自分自身の弱りと死について多くの人に伝えたいという気持ちが大きくなってきました。

9月 14日から15日にかけて札幌で行われた在宅医療連合学会第1回地域フォーラムに、中京在宅医療センターとして公募ワークショップで発表してきました。ワークショップを通じて顔の見える関係づくりと、フラットな関係づくりを地域の中で実践してきたことを全国の皆さんと共有しました。このワークショップでは「独居者を在宅で看取る~ひとりだけど一人じゃない」というテーマでワークを実施しました。

10月 定例のケアマネジャー勉強会で「もしバナゲーム」をいたしました。「もしバナ」というのは「病気になる前に『もしも』の時についてみんなで話を使用」というもの。重病の時や死の間際に「大事なこと」として人が口にするような言葉が記してあるカードを使い、余命半年の想定で大事にしたい言葉を選ぶことで自分自身の人生観や生きること死ぬことについての思いや揺らぎを感じるゲームです。私自身自分が何を大切に思っているかを改めて認識しました。信仰心、祈り、ユーモアなどが私にとってのマストでした。マストではないけれど大切なものがお金の問題でした。意外と家族は後回し。これは多くの人の最期をご一緒してきて、最後が家族とともにあるのでなくても穏やかで明るい死を迎えているのをたくさん見てきたから家族でなくてはならないという固定観念から自由になったからなのでした。皆さんも体験してみられると面白いと感じていただけるのではないかと思います。

11月 28日に拙著「人生の最期の時期、住み慣れた場所で旅立つ幸せ~それでも病院で死にますか」を出版いたしました。セブン&アイ出版沢田浩様には本当に心よりお礼申し上げます。実は2年前に書き上げたこの本の原稿、いろんな出版社に持ち込むも、「面白い」「読みやすい」と言っていただけるのではありますが、「商品にはならない」と言われ続けてきたのです。
それを沢田様が文章をつぎはぎし、必要な要素を提案してくださり、商品になるようにきれいに盛り付けをしてくださったのでした。沢田様なくしてはできない一冊でした。本当に感謝しています。

12月 6日に拙著出版記念で、四番目の妹で作家の尾﨑英子とトーク&サイン会を京都大垣書店本店にて行いました。
この時は父や三番目の妹も来てちょっと親孝行。連れてきてくださった父の施設のケアマネさん、看護師さんに感謝いたします。またこの時患者さんやご家族さまも来てくださっていました。心温かいお言葉をたくさん頂戴しました。ありがとうございました。
その後、毎週末読書会をいたしました。実は出席者は多くなく、寂しい限りの読書会でしたが、それでも自分の考えていることを広めていくための小さな一歩を踏み出したと考えております。

5年後には大きなホールに多くの方が聞きに来てくださることを夢想しています。シンポジウムなどでもシンポジストとして登壇していけるようになっていきたいです。
有名になることが目的ではありません。自分の考えていることが日本の医療と介護の当たり前になり、自分自身が弱り死を迎える時に穏やかで暖かな死の床にいることが目標です。

新聞にも少しずつ取り上げていただいています。


本年の実績
1/24 京都市介護予防ケアマネジメントリーダー養成研修講師
5/30 右京医師会「死にゆく人への実践的声掛けとケア」
6/14 大塚製薬工場社内研修会
8/27 堺市医師会研修会
9/15 日本在宅医療連合学会第1回地域フォーラム公募ワークショップ参加
9/18 白鷺園看取り勉強会
9/21 関西セミナーハウス「在宅看取りについて」
10/24 京都市介護予防ケアマネジメントリーダー養成研修講師
10/31 西京医師会「死にゆく人への実践的声掛けとケア」
11/2 高砂市医師会主催市民公開講座
12/6 「それでも病院で死にますか」出版記念トーク&サイン会
12月1,7,8,14,15,21,22日「それでも病院で死にますか」読書会8か所にて実施





来年もますます元気よく頑張ってまいります。
何より地域密着の医療をさらに実践していく所存です。
自分がこの地域で老いて弱って死んでいくときに「ええ町やなあ」と言って死んでいきたいです。
そのために今自分が「ベスト」と思う医療を実践し、周囲にも広げていきたいです。