先日歯科の先生と一緒にショートステイ先に食事の確認と指導に行ってきた方。実際に食べているところを見てよくわかったのはご本人には意欲があるということ。

意欲があって、食べようと努力していて、でも、舌の動きがどうしても悪くて食事を喉の奥に送り込めないのでした。歯科の先生も工夫をして口の奥に食事を送り込もうとしますが、難しいのでした。

 

先日、ケアマネジャー、訪問診療医、訪問歯科医、訪問看護師、ショートステイ職員、デイサービス職員、訪問介護士など一堂に会してサービス担当者会議を行いました。

その時に「気持ちはあるよね。頑張って食べようとしているものね。見ててよくわかりましたよ。気持ちは頑張ろうってしているって。でも、飲み込めないんだよね。食べろ、食べろってみんな言うけど、そんな簡単なこと、できるわ、って思うのにできなくて悔しいよね。食べれるんだったら食べるわ、それができないから悔しいんだよね。」とご本人が思っておられるであろうことをお伝えしました。

今はもうご自分では声を出すのも難しいけど、認知機能はまだ保たれている方。

私の言葉に自由になる片手で涙をぬぐって悔しい気持ちと、その悔しい気持ちを代弁されたことで理解されたという気持ちでいっぱいだと表現されました。

介護をされるご主人もご高齢。それでも奥様のことを精一杯見てあげたいとおっしゃいます。

「この人(奥様)の頑張りに、力をもらう。この我慢強い人を見ていると本当に自分は力をもらっているのを感じる。」とおっしゃいます。

私たちもこの頑張り屋のお二人にさらなる頑張りを強いてお辛くならないよう、「頑張ろうね」ではなく「よくやってますよね」とお声掛けしましょうとみんなの気持ちを一つにしました。

こちらがお世話するばかりの一方的な関係ではなく、ご夫婦から学ぶことも多くご一緒させていただくこちらも力をいただく両方向の関係です。ご縁があってこの方を中心に最期の時間をいいものにするためのチームができ、その中で多職種の協働を実践できる力強い仲間です。

この仲間と一緒に、少しでもいい時間を作れるようにと思います。