皆さまあけましておめでとうございます。

2025年にいわゆる団塊の世代が後期高齢者になるのも本当にリアルに感じられるようになってまいりました。亡くなった母が団塊の世代でしたので、自分の親がぼちぼち後期高齢者になって、この世代の老いや弱りが私自身にも実感されるようになってきております。

この2025年問題、どういう意味があるかというと、多死社会に入るということになります。

病床数は現状維持または減少させていく一方で、死する人の数は一時的に増加します。(団塊の世代が終われば人口は減少するので多死社会は一時的)

そうするとこれまで当然のように病院で亡くなっていた過去の世代のように全員が病院で死んでいくというのは無理があります。

そこで地域で(自宅や介護施設で)死ぬ人を受け入れられるようにということで、厚生労働省は2000年に介護保険制度の導入からはじまり、在宅療養支援診療所の整備、「地域包括ケアシステム」の導入などなど地域での看取りのための制度を作ってきています。

現在の京都市中京区(なかぎょうく)では在宅医療の受け皿となる医療機関は多くはなく、また患者さんたちも大病院が多い地域の中での病院への信頼が厚く在宅医療への信頼感はまだこれからというのが現状であると思います。

まずは在宅医療を提供している診療所が病院との連携をすすめ、「在宅医療がいいものだな」と病院の主治医に信頼してもらえる、大事な患者さんを任せていただける、そのようなパフォーマンスが必要です。そして患者さんたちが「病院も頼りになるけど、身近で親身な診療所もいいものだ」と思ってくださるだけの細やかな目配りが必要かと思います。

そして地域の訪問看護、訪問介護との多職種連携を「お題目」で終わらせるのではなく、顔の見える関係を作っていけるようにこまめに「実際に会う」を大切にしていきたいです。

他の地域ではこんなことは当たり前すぎて笑われそうですが(ということを京都市内の当事者たちはわかっていない!おそるべし!)、大病院が多く地域の診療所のパフォーマンスがまだまだなこの地域ではそんな小さな「当たり前」を積み重ねていくことが大切です。

そしてこれまでぼちぼちやってきた「介護職への看取りの勉強会」をもっと進めていけるようにし、看取りの最前線で頑張る介護職が辛い気持ちを抱えたままにならないように、介護の当事者のしている介護について「それでいいんですね!」と感じていただけるようにさらに頑張っていきたいと思います。

去年の目標は実は達成できないまま越年しました。著書の出版です。今年は是非とも出版にこぎつけたいと願っています。

そして今年の目標というか今年の予定は医院の法人化です。実はまだ法人化にはやや尚早な感じでもあるのですが、「親身な医療」「休みやすい職場」を掲げる当院の一番のメンバーである私自身が休めるように医師を雇える環境を整えたいと思っています。

医師の雇用はまだ来年以降になりそうですが、将来的には若い先生方が数年勤めてくださってどんどん新しく独立していくようなロールモデルを作っていって、まだまだ立ち遅れている京都市内の在宅医療の人的資源の供給元になっていきたいという野望。でも、まずは自分自身が休める体制づくりからです。

今年も地域密着で頑張っていきますのでどうぞ仲良くしてください。